文章を書いているときに「これ、“しづらい”だっけ?それとも“しずらい”?」と悩んだこと、ありませんか?
発音はほぼ同じですが、書き言葉としては大きな差があります。
ビジネスメールや報告書で間違うと、知識不足と思われてしまうかもしれませんね。
この記事では、正しい表記から語源・例文・覚え方まで、図解付きで徹底解説します!
さらに、「しにくい」「し難い」との違いも早見表でまとめているので、一度読めば迷わなくなりますよ!
「しづらい」と「しずらい」の違いを一発解決!

正しいのは「しづらい」!その理由とは
正解は「しづらい」です。
日本語では、複数の語がつながると発音や表記に変化が起こることがあり、「する」+「つらい(辛い)」もその典型例です。
「つらい」の「つ」が濁音化して「づらい」になり、結果として「しづらい」となります。
これは日本語の連濁(れんだく)という音変化のルールに沿った自然な現象で、名詞の複合だけでなく動詞+形容詞の組み合わせにも現れることがあります。
また、「しづらい」という表記は文法書や国語辞典でも標準形として示されており、公式文書や教育現場でも推奨されています。
なぜ「しずらい」は誤用とされるのか
「しずらい」は発音的に違和感がないため、日常会話では問題なく通じます。
しかし、仮名遣いの規則から見ると「つ」が濁った場合は「づ」と書くのが正しいため、「しずらい」という表記は誤用とされます。
特にビジネスメールやレポートなどでは、この違いが相手に細かい印象の差を与える可能性があります。
場合によっては文章力や日本語運用能力の評価にも影響するため、正しい形を使うことが望ましいのです。
発音は同じなのに間違えやすい心理的理由
- 「ずらす」「ずれる」などの影響で「ず」の字を使いたくなる心理的な誘因がある
- スマホやPCの変換候補に「しずらい」が表示され、無意識に選んでしまう
- 会話では「づ」と「ず」の発音がほぼ同じで区別されにくく、耳から覚えたとおりに書いてしまう
「しづらい」の語源と成り立ちを図解で解説

「する」+「つらい」から生まれた言葉
- 「する」:行為や動作を表す、物事を行うための基本的な動詞で、多くの語と組み合わせて新しい意味を生み出す
- 「つらい」:困難・苦痛を表す形容詞で、心理的な負担から物理的な難しさまで幅広くカバーする
この二つが合わさることで、「心理的・物理的に行いにくい」というニュアンスを持った「しづらい」という言葉になります。
この表現は、行動のハードルが高いと感じる場面で使われ、話し手の主観的な感覚を伝えるのに適しています。
文学作品や日常会話、ビジネス文章など幅広い文脈で用いられる点も特徴です。
濁音化(連濁)のルールとは
2つの語が結びつくとき、後ろの語の頭が濁音になることがあります。
これが連濁です。
名詞同士の複合語に限らず、動詞と形容詞、動詞と名詞など多様な組み合わせでも起こる現象です。
例:
- 山+川 → 山川(やまがわ)
- 手+作り → 手作り(てづくり)
- 花+畑 → 花畑(はなばたけ)
同じように、「する」+「つらい」 → 「しづらい」になります。
この変化は発音の流れを滑らかにする役割も果たしており、日本語の音韻体系において自然なプロセスとされています。
仮名遣いから見た正しい表記
現代仮名遣いでは、濁音化した「つ」は「づ」で書きます。
「ず」を使うのは誤りで、歴史的仮名遣いの観点からも誤解を招く可能性があります。
国語教育や辞書でも「しづらい」が正用例として示されており、公式な文章や公的機関の発信でも統一されています。
「しづらい」「しにくい」「し難い」の意味と使い分け

感覚的な違いと使い分けのコツ
- しづらい:心理的・感覚的にやりにくい。
相手の反応や状況に気を使って行動しづらくなる場合によく使われます。 - しにくい:物理的・条件的にやりにくい。
環境や道具、状況など客観的な要因が行動を妨げる際に用いられます。 - し難い:ほぼ不可能に近いほど困難。
努力しても達成が極めて難しい場合に強い困難さを表現します。
これらは似ているようで、ニュアンスが異なるため、状況に応じた使い分けが重要です。
例えば、心理的負担による発言のしづらさと、物理的な障害による動きのしにくさは原因も伝わる印象も変わってきます。
例文でニュアンスを比較
- しづらい:「上司の前だと発言しづらい」…心理的プレッシャーが原因。
- しにくい:「手袋をするとスマホが操作しにくい」…物理的な条件が原因。
- し難い:「信頼回復はし難い状況だ」…客観的に見ても達成困難な状況。
早見表でまとめる使い分け(イラスト入り)
| 表現 | ニュアンス | 例文 | イラスト案 |
|---|---|---|---|
| しづらい | 心理的・感覚的にやりにくい。主観的な要素が強い | 「上司の前だと発言しづらい」 | 上司の後ろでモジモジする人 |
| しにくい | 条件や環境でやりにくい。客観的な障害が原因 | 「手袋をするとスマホが操作しにくい」 | 手袋でスマホをタップして失敗する人 |
| し難い | ほぼ不可能に近い困難。達成が極めて困難 | 「信頼回復はし難い状況だ」 | 壊れた橋を前に立ち止まる人 |
ビジネス・日常・SNSでの正しい使い方

ビジネスメールや報告書では「しづらい」一択
誤用は信頼性を下げます。
特に上司・取引先への文章では必ず「しづらい」を使用しましょう。
ビジネスシーンでは、細部まで正確な日本語を使えるかどうかが評価や印象を左右することが多く、正しい表記を心がけることで、相手への信頼感や文章全体の説得力が増します。
また、公式な契約書や公文書などでも誤記は修正の手間や誤解を生む原因となるため、特に注意が必要です。
日常会話やSNSではどう聞こえる?
会話で「しずらい」と言っても通じますが、書き言葉としてはNG。
習慣的に「しづらい」と書く意識が大事です。
SNSやブログなどカジュアルな場でも、正しい表記を使うことで文章の質が向上し、読み手に「きちんとした人」という印象を与えられます。
フォーマル度は低くても、日本語の正確さを保つことで全体の信頼度が上がります。
SNSやチャットでの誤用あるある
- スマホ変換でそのまま送信してしまう
- 他人の誤用を目にして自分も間違う
- 急いで入力するあまり誤った候補を選び送信
誤用を防ぐ!「しずらい」にしないための覚え方

スマホ・PCでの変換ミス対策
- 「しづらい」を辞書登録して一発変換。
特に頻繁に使う人は、ショートカットキーや単語登録を活用することで入力スピードも上がります。 - 予測変換の学習機能をリセットし、間違った変換履歴を消去。
あわせて変換候補の並び順を意識して選択する習慣をつけることで、無意識の誤用を防げます。 - スマホの場合は音声入力や手書き入力機能を試してみるのも有効で、正しい表記が定着しやすくなります。
語呂合わせで覚える正しい表記
- 「辛いときは濁る → づになる」という覚え方に加えて、「ず」は『図工』の図、『づ』は『辛い』の濁り、とイメージするとさらに記憶に残ります。
- 例文暗記:「雨の日は外出しづらい」「人前で意見を言いづらい」。
実生活で使う具体例を複数覚えることで定着率が上がります。
実際の失敗談から学ぶ
- 就活メールで「説明しずらいですが…」と書いて赤面。
面接官から指摘されて初めて誤りに気づいたケースもあります。 - 社内資料を全部「しずらい」にして一括修正の羽目に。
修正作業だけで数時間を費やし、業務効率が大幅に下がった例。 - SNS投稿で誤用した結果、フォロワーから正しい表記を指摘され恥ずかしい思いをした経験談も少なくありません。
まとめ — 「しづらい」を正しく使えば文章力もUP

- 最終的なポイント — 正しい表記で信頼性アップ
- 正しいのは「しづらい」:一見似た言葉に見えても、「しづらい」「しにくい」「し難い」は意味や使うべき場面、ニュアンスが異なります。
これらを的確に使い分けられると、文章の説得力や表現の幅が格段に広がります。 - ビジネス文書では誤用厳禁:細部の表記の正しさは信頼性に直結します。
誤用は「日本語知識が不足している」といった印象を与えかねず、評価にも影響します。
契約書や報告書、公式発表などでは特に注意が必要です。 - 定着のコツ:語呂合わせや辞書登録を活用し、反復練習や実際の文章での使用を通して習慣化しましょう。
間違いやすい言葉をリスト化し、自分専用の学習資料としてまとめる方法も有効です。
今日から意識して「しづらい」を使えば、文章力と信頼度が同時に向上します。
さらに、読み手や聞き手に安心感やプロフェッショナルな印象を与えられるようになり、長期的には正しい日本語運用が評価や信頼構築に大きく貢献するでしょう!

